片山真一です。
今日は上手なフィードバックをする方法という話をしたいと思います。
これは会社で部下を育てたりとか、あるいは子育てに使えるような話ですね。部下とか子供のやる気を上げた状態で育てていくというのが、非常に効果的なのは言うまでもないんですけれども、じゃあそれをどうやったらいいかということです。
ちなみに僕はですね、学生時代に家庭教師をやっていたんです。
家庭教師でたくさんの生徒さんを見ていく中で、皆さん軒並み成績が上がっていったんですよ。だいたいの子供は全員とは言わないけど、ほとんど全員上がっていったんです。
それはなぜかというと、週1回とかそのぐらいの頻度の授業時間の中で、わからないところを教えるとか、そういうことをするのには限界があるわけですよ。
だって学校は週に5日間あって一日5時間とかあるわけですから、それを週1回の90分とか、たかだか2時間ぐらいの中で全部賄えるかって言ったら、そんなことはないわけです。
そこで僕が考えたことは、普段勉強するような習慣がつけば、自ずと成績は上がっていくだろうということでした。
普段勉強するような習慣をつけるためには何が必要かというと、それはモチベーションです。
動機ですよね。動機を持たせましょうという話なんですけれども、動機だけじゃダメなんです。
動機があって、なんとか高校に受かりたいとか、そういう動機があったとしても、やる気がなければ、自信がなければ、勉強なんかする気になりません。
どうせ受かんないわと思ってたら、勉強に身が入らないじゃないですか。
なので、その点に注目して、動機を持たせること、やる気を持たせること、そして自信を持たせることということをやってました。
だから、例えば90分の授業の中でも、初めの70分ぐらいは授業をやって、残りの20分はその子供にどれだけ可能性があるのか、その方向に行けたらどんな生活が待っているのかというように動機をつけたり、自信をつけることを徹底しましたね。
前回来た時と比べて、どのぐらい頭が良くなっているのかとか。
テストが前回よりも良くなってたら、良くなった点はすごく褒めるし、それは自分の努力の結果だということを伝えるし、勉強したことが実になっているということを伝えます。
逆に点数が落ちてしまっていたとしても、「今回たまたま全体的に平均点が悪かったから、難しい問題がたくさん出ただけで、相対的に見たらお前の実力上がってるんだ」とか。
「今回のテストで自分の弱点がわかったんだから、そこを埋めていけば本番では点数取れるよね」とか。
「そしたらお前合格できるぞ」とか、そういう話をしてたわけです。
勉強なんかやりたくないとか、難しくてやる気がないっていう子も結構いたんですけど、いつも言っていたのは「勉強なんか簡単なんだ」という話ですね。
「勉強なんか楽勝なんだ」と。
「今できてない理由っていうのは、単純にその前のところができてないからだ」と。
例えば数学だったら「一次方程式ができないから連立方程式できないだけだから、それは別に不思議なことじゃないんだ」と。
「やる順番間違ってるから、今から一次方程式やっていくから、俺が言うからお前絶対できるようになる。大丈夫だ」って自信を持たせるんです。
そういうことを徹底的にやってたんですね。やってたら普段から勉強するようになるんですね。普段から僕がご自宅に行かない時でも、毎日家で勉強するようになるんです。
で、今度行った時には「全然宿題の量が少ないから、もっと増やしてくれ」とか言うわけですよ。
それは成績伸びますよね。それはなんか「絶対受からない」と担任の先生には言われていた高校にも受かったり、英検に受かったりするわけですよ。英検の二級に受かったりとかするわけですよね。
つまり、その子のポテンシャルを発揮させてあげるためには、その子のポテンシャルをしっかりと信じることも重要な要素ですね。今言ったのは、
- 動機を作ること
- 自信を持たせること
- ポテンシャルを信じること
- そして信じていることを伝えること
です。
ちょうど今読んでる本がですね、『ポジティブフィードバック』という本です。牧野さんという方が書いた本なんですけど、この本は非常に良くて、部下を伸ばすためのポジティブフィードバックのやり方が書いてあります。
ここに書いてあるポイントは、ポジティブフィードバックの軸となる四つの承認ですね。ポジティブフィードバックをする際にはどんなことを承認するのかという話で、四つのポイントがあります。
それは「結果の承認」ですね。結果というのは、テストでいい結果が出たら「よかったね」とか、そのそのものですよね。
結果そのものを承認するということ。
あるいは結果が出てない時というのは、出なかった場合も「行為を承認する」ということですね。「よく勉強頑張ってたね」とか、「宿題さぼらずやってたの俺は知ってるよ」とか、そういうことです。
それから「存在の承認」ですね。
結果が出なかったとしても、できていることが何もなくても認めるということで、ここでは伝えられてます。
存在承認というのは、相手の目を見て話すとか、何も褒めるところがなかったとしても、しっかり挨拶するとかです。「しっかり見てるよ」ということを伝えるということが重要だということです。
それから「可能性承認」です。
4つ目が可能性承認。改善点は、将来の期待として工程応援の形で伝えるということ。つまりポテンシャルを応援してるよ、ポテンシャルを信じてるよということを伝えるということですね。
この辺の話になってくると、要するに何の結果も出してないような人に対してネガティブフィードバックをすることになるじゃないですか。ネガティブフィードバックというのは、やりようによっては相手のモチベーションを高めたり、やる気を高めることにつながるんです。
その方法の一つとして、可能性を承認するという方法が提唱されてますね。
だからここで可能性を承認する際は、まあ、あんまり勉強して、時間がなくてあんまり勉強してできなかったと。例えばで、もちろん結果も出なかったと。
そんな人に対してどうやって承認するんですかという話で、例えばその場合、「なんでできないのか」って言ってもダメなんです。相手のモチベーションが下がるだけなので。
まあ今までやってきたことというのを1回お互いにブレインストーミングして、お互いにブレストしていく中で、最終的に「じゃあどうするか」ということを一緒に考えるということですね。この問いかけが重要であると。
「今こういう状態だけど、きっと君だったらできると思うし、これからはもっとうまくやれると思う」と。
「じゃあどうやったらうまくやれると思うか」ということを問いかけるということですね。
「もう今回の結果に関しては、過去のことはね、変えられないから、しょうがない」と。
「じゃあ未来に向けてどうするか」という、こういう承認をしてあげることです。「あなただったらできるよ」という、今言った四つの承認をうまいことやってあげると、部下だったり、子供をうまく育てることができるよという話ですね。
もう1回言いますね。
- 「結果を承認する」結果承認
- 「行為を承認する」行為承認
- 「存在承認」ですね。存在承認の目を見て話すとか、挨拶をするとか、しっかり相手の存在を認めるという承認ですね。
- 「可能性承認」。今何にもいい結果が出てなくても、今後できるようになる可能性をしっかり信じて、それを伝える。そしてお互いに「じゃあそのために、いい結果を出すために、これから何をどうするか」ということを一緒に考える、考えさせるように問いかけをするとか、そういうことです。
この承認、別の承認というのを使っていくといいよということですね。
本当にこれもそうだと思いますね。
例えばできてないことをネガティブなフィードバックをする際にも、伝え方って非常に重要ですよね。
そのためには、いいことで挟む、ポジティブなフィードバックでネガティブを挟むというやり方がよく言われてます。この本の流れは言われていると。
じゃあ、例えばテストで結果が出なかった子供がいるとしましょう。そんな時に一生懸命勉強したけど、テストで結果出なかったとしたら、一生懸命勉強したということはすごいポジティブですよね。
だからそういう行為に対してまず承認してあげますよね。
「一生懸命勉強した姿勢、俺はすごい評価してるし、あんまよくやったと思うよ。残念ながら今回のテストは結果出なかったわけだけど、その調子でやっていけば、きっと結果が出てくると思う。
じゃ、そのために、そのためにこれからどういうことをやっていったらいいと思う?何をどう改善していくしていったらいいと思うか?」とかということを問いかけてあげますよね。
そしたら、相手が「あれやったらいい、これやったらいい、ここをこうこう変えたらいい」ってことを考えますね。それに対して、「あ、そうだね。じゃあお互いそれやっていきましょう。いつだってあの、相談してくれていいからね」で、さらにあの、承認していきますね。
可能性を承認していく。
「今までの君の姿勢を見ていて、それがしっかり君ができることを僕は信じてるし、信じてるよ」と。存在を、存在というか、可能性を承認してあげると、まあ、こんな風に挟んでいくということです。
「なんでダメなんだ」とか、「どうしてできないんだ」とか言ったって、相手はモチベーション下がって結果が出なくなるだけなんだけど、そんな上司だったり、そんな親になることは避けましょう。
お互いに僕もこれ気をつけてやっていきたいなというふうに思います。
本当に気をつけたいなと思いますね。
子育ては特に失敗できないんで、本当にお互い気をつけてやっていきましょう。
今日の話が役に立てば幸いです。
