間違い解釈されてることの多い心理効果に「メラビアンの法則」があります。
まさか親しい友人にメラビアンの法則は当てはまりませんのでご注意を!
(後で詳しく解説します)
一般的な「メラビアンの法則」の解釈とは「人間のコミュニケーションの内、非言語の部分が93%以上を占める」というものです。
「何を言いうか」よりも「誰が言うか」が重要だということですね。
僕も営業マン時代に色んな人から教えられました。
図にするとこんな感じです。
間違い解釈で一般に伝わっているので、そこを正確に理解して活用しましょう。
そうすれば絶大な効果を発揮します。
それでは、メラビアンの法則がどのようなものなのか詳しくお伝えしていきたいと思います。
メラビアンの法則は一見奥が深いようですが、これは人間が持って生まれた「自己防衛本能」だと思って学んでもらうと、分かりやすいと思いますよ!
メラビアンの法則とは?〜一般論〜
メラビアンの法則はアメリカの心理学者アルバート・メラビアンの実験で発見された法則です。
そして現在は、ビジネスシーンで使うことのできるテクニックとして広く知られています。
前述の通り間違った解釈がされてしまっていますが、まずは一般に広まっている内容から見ていきましょう。
一般に広まっている内容
メラビアンの法則は就職活動のセミナーやビジネス研修、自己啓発本などでよく紹介されています。
就職したこと無い学校の先生が教えてるのがなんとも皮肉ですが、それは置いといて、一言でまとめると
「人は見た目が一番重要」
「話の内容よりも喋り方が大事」
てことです。
前述の、「人は見た目が9割」というベストセラーの本も、そのまんまのタイトルですね。
でも、元々の意味からは、かなり拡大解釈されているので勘違いなさらぬよう!
メラビアンの法則の間違い(誤解)と真実
現在日本ではよく知られたメラビアンの法則。
どこが誤解なのか解説していきますね。
そもそも、日常会話に当てはまらないです^^;
だってメラビアンの法則って、
- 話の内容
- 声のトーン
- 態度
に矛盾がある場合に、人はどんな受け止め方をするか?を実験して法則化したものですから^^;
こちらの動画を御覧ください。
日常会話には当てはまらない
メラビアンの法則は、お互いのことをあまり知らない人同士の間でだけ成り立つものです。
初対面だったり、お互いをよく知らない間柄の場合だけ。
相手が愛のある話をしていても、無愛想な表情をしていれば「この人は怒っているんだろうか」と思うわけです。
でも逆に、
ある程度わかり合った関係であれば、たとえ無愛想な表情で話をしていたとしても、
「この人はこういう人なんだ」という了解のものに話をすることが出来るのです。
ですから、親しい間柄で交わされる日常会話には当てはまるものではないのです。
まだまだあります、誤解の数々。
どちらとも取れる内容にしか当てはまらない
メラビアンの法則、実は曖昧な内容にしか適用されません。
「今日何時にどこどこに行ってくる」というような事実を伝えるだけの会話では、表情や口調などがどのようなものであっても、伝達内容が間違って受け取られることがないからです。
メラビアンの法則が起きるのは、好感や反感などの感情的なコミュニケーションで、どちらとも取れるような内容の時だけなのです。
メラビアンの法則4つの壁について
メラビアンの法則として紹介されるものに「4つの壁」というものがあります。
つまり、人が他人を受け入れるまでには4つの壁があるという話です。
1つめの壁は服装、髪型などの「外見」の壁。
2つめの壁は立ち姿や身振り手振りなどの「態度」の壁です。
この2つで半分以上を占めると言われています。
まあ、2/4だから半分にはなりそうですよね。
3つめは言葉使いや抑揚、速度などの「話し方」の壁。
最後の4つめの壁が「話の内容」です。
ただ、実際には4つの壁の話もメラビアンの法則がどのような状況でも起こりうるという前提で話が広まり、拡大解釈されて生まれたもののようです。
もう一度言いますが、メラビアンの法則は「曖昧な内容」であったり「親しくない間柄」じゃないと適用されません。
話の内容、声のトーン、態度に矛盾があるのが前提です。
どんな実験したのか気になりますよね。
メラビアンの法則の実験とは?
メラビアンの法則は、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンの実験から発見されました。
その実験内容は次のようなもの。
例えば 「honey」のような「好意」をイメージする言葉を3つ、
その他「中立」「嫌悪」をイメージする言葉をそれぞれ3つ用意します。
3つのイメージの言葉を3つずつ用意するので9つの言葉が設定されますね。
次にその9つの言葉をそれぞれ「好意」「中立(普通)」「嫌悪」のイメージで読み上げた声を録音します。
つまり、
- honey(好意的バージョン)
- honey(中立バージョン)
- honey(憎悪バージョン)
の音声を用意するわけですね。
で、さらに「好意」「中立」「嫌悪」を表した表情の顔写真をそれぞれ用意します。
そして録音と顔写真で矛盾したいろいろな組み合わせを作って被験者に提示するわけです。
その時に被験者が「好意」「中立」「嫌悪」のどのイメージをもったか調査したのです。
結論として、人が相手の言葉や声、表情に矛盾を感じた時、
- 視覚情報 55%
- 聴覚情報 38%
- 言語情報 7%
の順番に信用するということが判明しました。
言語情報7%って・・話の内容殆ど関係ないんですね・・・。
初対面での見た目超重要ですね。
ハロー効果を知ると初対面の印象の重要性が心理学的に理解できますよ。
メラビアンの法則事例
メラビアンの法則の正しい理解のため、もう少し具体的に説明をしたいと思います。
例えば空調のよく効いている部屋であなたの前の人が体調が悪そうにしているとします。
「寒くないですか?」と聞いた時に相手が「寒くないです」と言ったとしても、明らかに顔色が悪かったり声が震えたりしていたとしたらどう思うでしょうか。
きっと「寒くないです」という言葉よりも見た目の様子や声の調子の方を信用するのではないかと思います。
そして「この人は言葉では寒くないと言っているけれども、実際には寒いのを我慢しているのではないか」と考えますよね。
このように言葉に対して視覚や聴覚情報が矛盾している場合、人は視覚や聴覚情報の方を優先して信用するということなのです。
メラビアンの法則を最大限発揮して信頼される方法
メラビアンの法則は拡大解釈が広まってしまっているので、どのような時に効果を発揮するかがわかりにくくなってしまっています。
正しく理解することで効果を最大限発揮する方法を理解していきましょう。
3つのVを意識する
メラビアンの法則は3つのVの法則とも言われています。
3つのVとは、
- Verbal(内容)
- Vocal(声)
- Visual(見た目)
の頭文字のVです。
大事なことは3つのVがそれぞれお互いを助け合っているということ。
だから3つのVを一致させることが大事なのです。
例えば仕事の真剣な話をする時は、内容に合わせて真剣な口調で真剣な表情で話すべきですよね。
これが真剣な話題を軽い口調で話していたり、ヘラヘラした口調で話していたら、「この人は本当に真剣に話しているのかな?」と不信感を持たれてしまう訳です。
マジシャンはマジシャンらしい服装でそれらしく振る舞うのも同じことです。
非言語コミュニケーション意識する
メラビアンの法則は「7-38-55ルール」とも呼ばれます。
これは人がコミュニケーションで重視する割合が言語7%、聴覚38%、視覚55%と結論づけられたからです。
言葉以外の非言語コミュニケーションである視覚と聴覚で、実に93%を占めているのです。
もちろん話の内容はどうでもよいということではなく、言葉と視覚や聴覚に矛盾がないことが大事なのは先にお伝えした通りです。
しかし、自分が話している声の録音を聞いたり、自分が写っている動画を見て、普段思っている自分の声や表情との違いに驚いたことはありませんか?
つまり、非言語コミュニケーションは困ったことに、普段強く意識していないと、自分が思ったほど相手に伝わっていないものなのです。
自分の声や表情などを客観的に見る機会はなかなかないものなので、明るい口調で話しているつもりでも相手にはそれほど伝わっていない、ということはよくあります。
なので特に大事な話をする場面では、大きく身振り手振りをつけたり、感情を表に出すように話したり、目や口を大きく開けて表情豊かに話して見せるのがおすすめです。
少しオーバーかなと思うぐらいで、相手にとっては話が伝わりやすいちょうど良い表現になっていると思いますよ。
あと、お世辞も「歯が浮く」程度じゃなくて「顎が外れる」くらいの気持ちで言ったほうが良いですよ^^
さて、このメラビアンの法則。
どう実生活にはどう応用したら良いのでしょうか?
メラビアンの法則応用例
メラビアンの法則を正しく理解したところで、実際の日常生活でどのような応用ができるのかを見ていきましょう。
限定した状況で効果を発揮するものなので、ビジネスシーン、特に初対面だったり相手とコミュニケーションをとりはじめて間もない初期段階のケースが多くなります。
面接
メラビアンの法則の応用例としてよく挙げられるのが就職活動の面接です。
大学生が就職活動の時期になると、それまで自由にしていた髪型を黒髪短髪に変え、リクルートスーツに身を包んで新卒採用の面接に臨みます。
一斉に同じような髪型、同じような服装になるため「個性がない」などと揶揄されることもあります。
しかし、いくら会社の一員として活躍していきたいという思いを熱く語っても、社会人としてふさわしくない格好で面接にきた人間を面接官が信頼できるでしょうか?
やはり真剣な思いに対して話し方や格好に矛盾がなく、信頼を置けるかどうかが重要なのです。
もちろん服装だけで信頼を得られる訳ではなく、志望動機や事前に会社についてどれぐらい調べたか、社会人としての心構えなどをわかりやすく伝えられることも重要なことです。
話の内容と印象の両方に一貫して好感を得られることが重要なのです。
電話対応
お互い相手の顔が見えない電話対応では、視覚情報がないぶん聴覚情報がとても重要になります。
僕の知り合いは以前コールセンターで働いていましたが、毎回初めて話すお客さまとの会話になるので、第一印象で話の展開が全く変わるそうです。
お客様は一旦話すスピードや口調の印象でオペレーターが自分に合わないと感じると、正確な情報をお伝えしようとしても、あまり詳細な内容までは聞こうとしていただけません。
そこで第一声で元気よく挨拶し、その後も明るい口調でお客さまの話のテンポに合わせた応対を心がけるようにしたら、お問い合わせの内容が解決しなかった場合でもお客さまに「電話をかけてよかった」と言って電話を切っていただけるようになったそうです。
解決してないのに、ってすごいですよね。
商談
取引先との商談を行う時、往々にして相手は身構えて対応しているものです。
例えばあなたのところに営業マンが来て商談の話を持ちかけた時、大なり小なり相手がうまいことを言って自分を騙しているのではないかと疑う気持ちを持って聞くのではないでしょうか?
だから相手も不安を持ちながら話を聞いているのです。
なので、商談の話をする時は落ち着いた表情と口調が重要です。
そして自分の持ちかける話が相手にとってメリットになることを印象づけ、不安を取り除くわけです。
また、相手が商談を断ったり、一旦検討すると言った時に表情を曇らせてしまうようなことは禁物です。
これ嫌ですよねやられたら。
あなたにとっては成立させなければならない商談であっても、それはあなたの都合で相手には関係のないことです。
あくまでも相手のメリットのために商談を持ちかけているのだという姿勢を見せ、たとえ目の前の商談が破断しそうになっても信頼を損なうようなことをしてはいけないのです。
メラビアンの法則のまとめ
さて、今回はメラビアンの法則について詳しくお伝えしてきました。
メラビアンの法則はつまるところ「自己防衛本能」ですよね。
つまり、(この人の言ってることを信用してもいいのか?いけないのか?)を、その人の言っていること以外から判断していると言うことです。
口ではいいことを言っているけど、腹黒い人、途中で変な方向に行ってしまう教祖様とかいますよね。
そういう人に騙されないために、僕達は無意識の内に言葉以外の表現を分析して、反応しているのです。
だからこそ「親しい間柄では機能しない」わけですね。
逆に言うと、自分自身が信頼のおける人間になれば、少しくらい支離滅裂なことを言っていても、相手は信用してくれるということ。
特にビジネスシーンでは、初対面の人と会うことが多いので、常日頃から自分を磨いていることが重要になりますね!
確かに直接会わず、メールやチャットだけのやり取りなら、テクニックを使って商品を販売することは出来るでしょう。
でも、それも結局、己の人間性が伴わないと長続きしません。
新規客を追い求め続けて、疲弊して、衰退してくことになってしまいます。
なので、「メラビアンの法則」を学んだら、その知識を使うこと、精神性を向上させていくことを両輪としましょう!
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