今回は自分の印象を実際の120%良く見せることができる「ハロー効果」とその応用方法をご紹介します。
この方法をマスターすれば
- 恋愛
- 就職
- 仕事
- 人間関係など
日常生活の様々な場面で、自分に対する人の評価をコントロールすることができます。
早速解説していきますね!
ハロー効果とは?
ハロー効果とは、見た目、学歴、肩書など、その人の特徴のひとつに引きずられて、別の性質を勝手に判断してしまうことです。
平たく言うと、「人は見た目で判断される」「人は肩書で判断される」ってことですね。
例えば、
- 「この人は、○○大学を卒業しているから仕事が出来そうだ」とか、
- 「○○さんは、料理が上手だから良い奥さんになるだろう」とか、
- 「会計士の資格を持っているから、ビジネスが得意だろう」とか、
- 「メガネをかけているから運動神経は良くなさそう」とか、
- 「口下手だから、営業は向いてないだろう」とか…。
でも、実際は、外見や肩書とその人の能力は関係あるとも限りませんよね。
期待はずれってこともよくあるわけです。
例えば、
- 良い大学を卒業していることと、仕事が出来るかどうかは無関係
- 料理が上手だからと言って、掃除が得意かどうかは分かりませんし、良い奥さんになるかどうかも分かりません。
- 会計士の資格を持っていることと、ビジネス手腕があるかどうかも無関係です。
- メガネをかけていると、頭が良さそう、運動神経が悪そう、というのも勝手なイメージにすぎません。
- 口下手な人が、営業が苦手とも限りません。
ですよね?
このハロー効果、人間以外にも適用されます。
色々と実例を見て行きましょう。
ハロー効果の実例
分かりやすく、ハロー効果の実例を見てみましょう。
以下のようなことを経験したことはありませんか?
- Webサイトが充実していると、立派な会社だと思う
- 登録に時間がかかると、そのサービス内容も悪いと思う
- 人気女優がCMをしていると、ついついその化粧品を選んでしまう
- 警察官や学校教師は人格者だと思う
- 字がきれいな人は頭が良さそう
- 足が速い人は運動神経が良さそう
- 体格がいい人は介護職が得意そう
- 帰国子女は仕事ができそう
- 運動部に所属していた人は営業が得意そう
- 上場企業に勤めているのでお金を持っていそう
- 有名人がおススメしている店は、きっと美味しいに違いない
- 質素なアパートに住んでいる人は、まさかお金持ちではないだろう
- いつも安いカジュアル服を着ている人が、会社役員のはずがない
このようなことは、日常生活ではよくあることです。
でも、実際は…
- Webサイトが充実しているからと言って、立派な会社だとは限らない
- 登録に時間がかかったとしても、そのサービス自体は良いかもしれない
- 人気女優がCMをしているからと言って、その化粧品が自分に合うとは限らない
- 警察官や学校教師が、全員人格者なわけではない
- 字が上手か下手かは、頭の良し悪しには関係ない
- 足が速くても、球技は苦手かもしれない
- 体格が良くても、介護職に向くとは限らない
- 帰国子女だからと言って、仕事ができるかどうかには関係ない
- 運動部に所属していたからと言って、営業ができるかどうかは関係ない
- 上場企業に勤めていても、給料が高いとは限らない
- 有名人がおススメしている店が、すべて美味しいとは限らない
- 質素なアパートに住んでいるお金持ちもいる
- いつも安いカジュアル服を着ている会社役員もいる
というのが、事実ではないでしょうか。
よくありますよね(-_-;)
政治家だからいい人だとは限らないですし。
それなのに、ハロー効果によって、ひとつの目立つ特徴を見て他の部分も勝手に、良く見えたり、悪く見えたりしてしまっています。
でも、ほとんどの人が日頃、こういうことに意識を払っていません。
無意識のうちにハロー効果の影響を受けていることがほとんどです。
それを、意識的に利用することで、日常生活の様々な場面で、自分の有利になるように人の評価をコントロールすることができるのです。
ハロー効果のマーケティング応用例
ハロー効果は、マーケティングの世界では、もはや常識として頻繁に使われるようになっています。
マーケティングの基本は、4Pです。
- Product(製品)
- Place(流通)
- Price(価格)
- Promotion(販売促進)
この4つの要素の中でいかに上手にターゲットにアピールして、販売につなげるか?ということが、マーケティング活動の基本です。
それぞれの要素において、ハロー効果をどのように応用しているか見てみましょう。
カッコ内は、ハロー効果の影響で現れる気持ちの例です。
製品
- 子ども向けの商品に、キャラクターの描かれたパッケージを使う
(→ 子ども向けの商品に違いない!子どもが好きに違いない!) - 電化製品で、通常1年間のところ5年間の保証をつける
(→ 品質に相当自信があるのだろう) - 返品キャンペーンとして、期間中の購入は使用後の返品も可能にする
(→ 使用後でも返品できるなんて、超安心!良い商品に違いない!)
価格
- 1個買うともう1個おまけが付く
(→ 1個の価格で2個買えるなんて、絶対お得) - ○○カードに今登録すれば、5000ポイントプレゼント
(→ 何も買わなくても5000円分のポイントがもらえるなら、とりあえず登録しよう) - 通常の何倍も高い価格帯の家電製品
(→ こんなに高いんだから、素晴らしい機能を持っているはず)
流通
- この地域、この店だけの限定販売
(→ ここで買っておかなければ、後で後悔しそうだ) - 日本初上陸、東海エリア初出店、など
(→ 流行の最先端を体験できる) - 魚屋さんがオーナーの寿司屋
(→ 新鮮な魚を使っているに違いない!美味しいはず!) - 肉屋さんの店先で売っている牛肉コロッケ
(→ 本格的なコロッケだ!美味しいに違いない!)
(↑これは、実際に美味しいですが。笑)
販売促進
- 化粧品のCMに、人気タレントを起用する
(→ この化粧品を使えば、憧れのあの人みたいになれるんじゃないか) - 書店員さんの書いた手書きのポップ
(→ 本に一番詳しい書店員さんがおススメするなら、面白い本に違いない) - 人気の格闘家が、警備会社に所属してCMにも出演する
(→ 何となく安心感がある。しっかり守ってくれそうな警備会社だ)
こんな感じで、マーケティングの様々な場面でハロー効果が応用されているのがお分かりいただけたと思います。
マーケティング活動の中の販売促進(プロモーション)というのは、最も重要な活動ですが、その中でも「広告」という分野は特殊です。
ハロー効果の応用例〜広告編〜
広告では、一瞬でお客様の心をつかまなければいけません。
そのため、広告やコピーライティングの世界では、ハロー効果が、意識的に本当によく使われます。
あなたも次のようなコピーを目にしたことがあるのではないでしょうか?
商品やサービスの広告でよく見るコピー
- 「創業○十年の実績と信頼!」
(→ 長い歴史があるなら安心だ)
- 「あの○○氏が絶賛!」
(→ 人気評論家の○○氏が推薦しているなら、面白い本に違いない)
- 「販売台数○○台突破!」
(→ ○○台も売れているなら、良い商品に違いない)
- 「リピート率83%の実績!」
(→ 83%もの人がリピートしているなら、良いサービスのはず)
- 「口コミランキング第1位!」
(→ みんなが口コミで良い評価を付けてるなら、間違いない)
- 「月間売れ筋ランキング第1位獲得!」
(→ 売れ筋1位の商品なら、買って損はしないだろう)
- 「近距離大歓迎!」
(→ 親切でサービスの良さそうなタクシー会社だ)
求人広告でよく見るコピー
- 「直近1年間の定着率90%以上!」
(→ 定着率90%なら、働きやすい会社に違いない)
- 「未経験者歓迎!」
(→ イチから丁寧に教えてくれる会社なんだろう)
- 「20代、30代が活躍しています!」
(→ 平均年齢が若い会社に違いない)
ハロー効果を広告で活用する時に、意識するポイントはただひとつです。
アピールしたいイメージを鮮明にすること!です。
これは、言い換えれば、周囲にどう思ってもらいたいか?ということをハッキリさせることです。
例えば、「創業○十年の実績と信頼!」なら、安心感を与えることはできますが、見る人によっては、古臭いイメージを持ってしまうかもしれません。
歴史の長い会社であっても、安心感より新鮮さをアピールしたい商品やサービスであれば、
「20代、30代の支持率ナンバーワン!」
「子供が親に買ってもらいたいプレゼントランキング第1位!」
のようなコピーの方が、アピールしたいイメージに近いイメージを持ってもらえるでしょう。
このようにハロー効果は、長い時間をかけて理解してもらうのではなく、一瞬で「コレ!」というイメージを持たせなければならない場面で、最も効果を発揮します。
ハロー効果を面接に応用したら?
就職面接…。
これも、ハロー効果の影響が、最大限に現れてしまう場面ですね。
面接される側は、数分~数十分という短い間で、自分の魅力をアピールし、良い評価をもらわなければなりません。
一方、面接する側も、相手のことを全く知らない状態から、短い時間と少ない情報で、その人物を見極めなければならないのです。
この、両方の立場から、ハロー効果をうまく利用する方法と、ハロー効果で失敗しないためにどんなことに気を付ければ良いのか、見てみましょう。
面接を制するために必要な鉄則があります。
それは…
- 見た目に気を使う
- 相手が求める人材を理解する
です。
詳しくお伝えしますね!
1)見た目に気を使う
就職面接のコーチングなどを受けると、まず最初に指導されるのは、身だしなみです。
そんなの分かってるよ、当たり前じゃん!
と、思いますよね。
では、なぜ、身だしなみが大切なのでしょう。
『人は見た目が9割』という本が10年ほど前にベストセラーになりましたね。
『人は見た目が100%』という漫画が、2017年春にドラマ化されて話題になったりもしました。
やっぱり、見た目の第一印象を良くするために、身だしなみが大切なんでしょう…。
では、なぜ、第一印象を良くすることが必要なんでしょう?
さあ、核心に近づいてきました。
不必要に第一印象を悪くして、ネガティブハロー効果を引き寄せないためです。
どんなにあなたが、素晴らしい実績と、人から抜きん出たスキルや才能を持ち合わせていたとしても、見た目の印象が悪くて、それが面接官の目を引くほどひどいとしたら、、、
- 「素晴らしい実績は、ウソの話なんじゃないか?」
- 「スキルや才能も、話を盛ってるだけなのでは?」
- 「たまたま、周囲の優秀な人に助けられて得られた実績なんじゃない?」
こんな風に、勝手に思われて、全体の評価が下がってしまうのです。
一方、同じような実績、スキル、才能の人がいたとして、
その人は、パリッとしたスーツを着こなし、キチンとした髪型に、ハキハキした受け答えと、自然な立ち居振る舞いをしていたとします。
すると、その人の実績やスキル、才能までも、なるほど!と、面接官たちを納得させ、全体の評価が跳ね上がります。
「見た目」というのは、決して、顔の作りや背が高い低い、太っているか痩せているかということを指すのではありません。
見た目に「気を使っているかどうか」なのです。
それを意識することが、面接を制する第一歩です。
2)相手が求める人材を理解する
次に大切なことは、相手がどのような人材を求めているかということを、リサーチすることです。
リサーチと言っても、何も難しいことではありません。
ネットから得られる情報だけでも、色々なことが読み取れます。
求人広告のコピーや、その企業のサイトを読み込むことで、企業の社風や雰囲気を知り、求人の具体的な人物像をイメージしてみましょう。
そのイメージに合った自分をアピールするように、ハロー効果を使います。
例えば、
細かい作業や、コツコツ作業の多い事務仕事の求人だとしたら…
食玩をコレクションすることが趣味です。
小さいものをコツコツ集めて、きれいに並べて眺めているとワクワクします。
などとアピールしたらどうでしょう。
作り話はNGなので、あくまでたとえばの話です。
営業職でも、ルート営業がメインなのか、新規開拓をしてほしいのか、によっても求める人材は違います。
新規開拓がメインの営業だとしたら、強い精神力や、へこたれないガッツが必要です。
学生時代の運動部の経験や、厳しい環境で揉まれた経験などが効果的なアピールポイントでしょう。
見た目の爽やかさや、パッと見で人を惹きつけるルックスなども、大きな武器になるでしょう。
このように、自分が持つ目立つ特徴や、分かりやすいポイントなどを、求める人材によってうまくアピールすることで、ハロー効果を誘って、より良い評価につなげることが可能となります。
ハロー効果は逆効果?
あなたが面接官という立場だとしたら…
実は、ハロー効果に、注意を払う必要があります。
ハロー効果について知っているかどうかで、面接官として正しい評価ができるかどうか、分かれてしまうのです。
ハロー効果とは何か?
もう一度復習します。
ハロー効果とは、見た目、学歴、肩書など、その人の特徴のひとつに引きずられて、別の性質を勝手に判断してしまうことです。
人にはそういう性質があることを理解した上で、面接に来た人物の評価をしなければなりません。
あるひとつの目立つ特徴に引きずられて、他の部分も良い評価、または悪い評価をしていませんか?
こんな事例があります。
ある貿易商社で、英語のしゃべれる営業パーソンを求人していました。
面接にやって来たのは、大手のサービス業に勤めていたという、笑顔の爽やかな好青年です。
大手企業できっちりトレーニングを受けていたこともあり、挨拶も受け答えも丁寧でハキハキしていて、抜群の好印象です。
聞けば、学生時代に1ヶ月の短期留学経験もあり、英語も得意とのこと。
この人物を雇ってみると…
実際は、英語はしゃべれない、計算は苦手、交渉も苦手。
企業が求めていた人物像とは、全くかけ離れていたのです。
見た目の分かりやすい印象に引きずられて、別の能力(語学など)も高く評価してしまったという、ハロー効果の失敗例ですね。
実は、面接の時、この人物を採用することに反対した面接官がひとりいました。
この面接官が選んだ人物は、第二新卒で、なんとなく暗い印象の覇気のない青年でした。
ハキハキした受け答えとはほど遠かったのですが、じっくり話してみると、着眼点が個性的だったり、鋭い質問があったりなど、なかなか骨がありそうな人物だったのです。
前述の好青年とは別に、実はこの人物も、同時に採用されていました。
ふたを開けてみると、最初こそあまり売上を上げることはできませんでしたが、半年もたつと、顧客との関係性を上手に作り、めきめきと頭角を現す営業パーソンとなったのです。
前述の好青年と、後述の覇気のない青年。
どちらの人物を選んだ面接官が「デキル面接官」か?
答えは明らかでしょう。
ハロー効果を人事に応用したら?
企業に勤めていたら、避けては通れないのが人事査定ではないでしょうか。
何らかの形で、自分が評価されるとしたら、少しでも良い評価をされたいですよね。
良い評価をされれば…
- 給料やボーナスが良くなります
- 希望の部署に異動できるかもしれません
- 希望の勤務地に転勤しやすくなります
- やりがいのある仕事を任せてもらえます 等々
良いことが色々期待できます。
人事査定の場面でも、ハロー効果をうまく活用する方法があります。
ポイントは2つです。
- 何でもそこそこ平均点以上より、一芸秀でる
- ずば抜けて出来ない分野をなくす
1)何でもそこそこ平均点以上より、一芸秀でる
どんな仕事でも、ひとつだけの才能やスキルでやっていけるものはほとんどありません。
ふつうは、様々なスキルが必要とされます。
例えば、
- コミュニケーション力
- 商品知識
- 文章力
- 手先の器用さ
- 直感力
- ひらめき
- 行動力
- 分析力
- リーダーシップ
- 協調性
- 緻密さ
- 整理力
- 企画力 等々
業界や職種によって、求められる能力は様々です。
まずは、自分がしている仕事の中では、どんなスキルや能力が必要なのか考えてみましょう。
人事査定の評価を上げるためには、必要なスキルや能力の全てを、そこそこ平均以上にできるようにするより、どれかひとつを徹底的に磨いて、人より抜きん出る方が、近道です。
例えば、企画職とします。
求められる能力は、
企画力、直感力、アイディア力、ひらめき、プレゼン力、分析力、リサーチ力、整理力、資料作りのスキル などです。
- 「出してくる企画の数だけは、アイツ、すごいな」とか
- 「あの人のリサーチ力には、とてもかなわない」とか
- 「プレゼンさせたら、彼女の右に出る者はいない」とか
- 「このプレゼン資料、誰が作ったんだ」とか
そんな風に、人を思わせることができたら成功です。
たとえ、他の能力が平均以下だったとしても、ひとつ目立つ能力があれば、それに引っ張られて、他の面も実力以上に評価してもらえるハロー効果が期待できるからです。
2)ずば抜けて出来ない分野をなくす
ただ、ひとつ気を付けなければならないのは、必要な能力の中で、ずば抜けて苦手な分野を作らないということです。
「ずば抜けて」ということは「目立つほどに」ということです。
たとえ、ひとつの分野で素晴らしい能力を発揮できたとしても、別の分野で、人の目に付くほどダメな特徴があるとしたら、そちらの特徴に引っ張られて、全体の評価が悪くなってしまう可能性があるからです。
それだけは注意が必要です。
ハロー効果の具体例〜恋愛に応用したら?〜
ハロー効果は、仕事だけでなくプライベートでも応用することができます。
ハロー効果を、恋愛に応用するときに覚えておきたいポイントは、
「ハロー効果は、出会いの場面で最大限威力を発揮する!」
ということです。
ハロー効果というのは、何かを評価するときに、じっくりゆっくり、色んな側面から時間をかけて判断することができない場面で、最も効果が現れます。
恋愛は、
出会う
↓
親しくなる
↓
お互い好意を持つ
↓
付き合う
↓
より深く理解し合う
↓
・
・
・
のように、いくつかの段階がありますが、「出会い」の段階で、うまくハロー効果を使うことができると、「一目惚れ」をねらうことすらできます!
なんか、ブラック心理学の領域に入ってきましたね。笑
では、どのように応用するのでしょうか?
次の3ステップが有効です。
- リサーチ
- 棚卸し
- アピール
1)リサーチ
好きな相手が、どんな人がタイプなのかを調べることです。
タイプだけではなく、どんな価値観を持っているのかとか、何をもらったら喜ぶのかとか、仲の良い友達はどういうタイプかとか、そういうことを知ることが大切です。
2)棚卸し
自分の持っている目立つ特徴を棚卸しします。
外見、学歴、収入、生活環境、仕事、住んでる場所、交友関係、趣味、スポーツなど、いろいろ考えてみましょう。
3)アピール
リサーチと棚卸しの結果を掛け合わせて、何をアピールするのかを決めましょう。
例えば、頭の良い人がタイプの人には、高い学歴をアピールするのが効果的だというのは、分かりやすい例でしょう。
有名大学を卒業している…というハローによって、多少外見が悪くても、多少お金がなくても、好きになってもらえる可能性は高まります。
有名大学を卒業していないから、アピールできない??
そんなことはありません。
「読書が趣味」というだけでも、ハローになりえます。
読書なんて趣味じゃない??
だったら、だてメガネをかけるっている最終手段もあります。
メガネかけてるだけで、頭良さそうに見えますからね。
スポーツができる人がタイプという人もいます。
そういう人に、学歴をアピールしてもあまり効果はありません。
それよりも、学生時代に運動部や運動系のサークルに所属していた、○○大会で優勝したことがある、地域のバドミントンサークルに所属して、今も毎週練習に通っている、などが効果的です。
他には、歌がうまい人、お金を持っている人、センスの良い人、、、がタイプという人も多いでしょう。
自分が好きな相手が喜びそうなハローを、自分の中に見つけて、上手にアピールしましょう。
ハローがない人は、作ってしまうという手もあります。
さきほどの、だてメガネみたいな感じですね。
では、人はなぜ、ハロー効果の影響を受けてしまうのでしょうか?
ハロー効果の原理とは?
人のこのような性質は、実は、まだ文明が発達する前の、太古の昔から形作られていました。
自然と共に暮らしていた私たちの祖先は、現代とは比べ物にならないくらい、常に危険と隣り合わせの生活でした。
自然災害はもちろん、猛獣や毒を持った生き物との遭遇、食料確保の問題など、一瞬の判断で行動しなければ命取りになるような出来事の連続です。
- 牙を持った生き物は、危険だ!とか、
- カラフルな色のキノコは毒がある!とか、
- 地鳴りが聞こえたら、雪崩が起きる!とか、
- 酸っぱいにおいのものは、腐っている!とか…。
野生の勘みたいなものでしょうか。
ゆっくり考えたり、色んな方面から分析したり検討したりする時間はありません。
ある一面を見て、瞬時に全体を予測して行動できる者だけが、生き残っていったのです。
このような本能とも言える性質は、人類が生き残るために、DNAに組み込まれていったと言えます。
これが、ハロー効果の原理です。
ハロー効果を端的にあらわすことわざも色々あります。
昔の人は、「ハロー効果」などという言葉や原理は知らなくても、本能的に人間の本質というものを、よく理解していたんでしょうね。
- あばたもえくぼ
- 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
- 親の七光り
- 虎の威を借る狐 etc.
あまり良い意味で使われることわざはなさそうですね。
それは、ハロー効果が、それほど強力に人の心理に影響を与える効果だからだと言えます。
見方によっては、「だまされた!」と思ってしまうほど、いとも簡単に人の心を操作することができてしまうのです。
事実、詐欺師の手法は、まさにハロー効果を最大限に利用したものがほとんどです。
2017年冬に放送された『嘘の戦争』というドラマがありました。
元スマップの草なぎ剛さんが、天才詐欺師を演じて大変話題になったドラマです。
ドラマの中で、草なぎさん演じる天才詐欺師が、Sexy Zoneの菊池風磨さん演じる詐欺師見習いに、説教するシーンがあります。
周囲をだまして社長になりきっている詐欺師に対して、着慣れないスーツのポケットに手を突っ込みながら登場し、チャラい感じで人に名刺を渡す詐欺師見習い。
挙げ句、「ラッキーだったじゃん、イエーイ!」と、社長であるはずの詐欺師にしゃべりかける。
そこで、詐欺師は言います。
「タメ口はやめろ」
「社会人の振る舞いを覚えろ」
「詐欺師に必要なのは、幅広い知識と教養だ」
話し方や振る舞いといった誰が見ても分かりやすい特徴を身につけることで、人は簡単にだまされるということをよく理解した、天才詐欺師の言葉でした。
おすすめ記事
ハロー効果の実験
ハロー効果は、100年ほど前、エドワード・ソーンダイクという心理学者が発見し名付けた、心理学効果のひとつです。
ハロー効果を証明する実例や実験は数多くありますが、有名なものを5つご紹介します。
- 軍隊で、上官は部下の何を基準に人事査定したか?
- 字のキレイさで、答案用紙の採点が変わる?!
- アメリカの全米図書賞受賞作が、全然見向きもされなかった話
- 学術論文は、有名大学所属の研究者が有利?!
- アメリカ大統領選挙は、高身長な方が勝つ?!
1)軍隊で、上官は部下の何を基準に人事査定したか?
軍隊で、上官に部下を評価してもらう実験をしました。
身体能力やリーダーシップ、知性に至るまで、様々な観点から「総合的に」評価するよう、上官にお願いしました。
ふたを開けてみると、際立った特徴を持った部下や、パッと見で分かりやすい長所を持つ部下の評価が、「総合的に」高かったという結果が出たのです。
つまり、各項目でそこそこ平均点以上の部下よりも、背が高くてシュッとしているとか、頭がイイとか、運動神経がずば抜けているとか、そういう分かりやすい特徴を持っている部下が、他の項目でも良い点数をもらい、総合評価が上がったということです。
2)字のキレイさで、答案用紙の採点が変わる?!
にわかには信じられないことですが、同じ内容の答案用紙なら、字がきれいな方が得点が高くなるという実験結果があります。
この結果は、作文やレポート問題などで顕著に現れます。
ある学習塾で、字を丁寧にきれいに書くことを徹底指導したところ、平均点が上がったという実例もあります。
3)アメリカの全米図書賞受賞作が、全然見向きもされなかった話
アメリカで最も権威のある文学賞のひとつに、全米図書賞があります。
日本で言えば、芥川賞や直木賞にも匹敵する権威ある文学賞です。
この全米図書賞の受賞作を、受賞した数年後に、全く同じ内容でタイプし直し、全米の大手出版社に投稿するという、イタズラのような実験が行われたことがあります。
結果は、どの出版社も見向きもしなかった…という、ウソのようなホントの話です。
ちなみに、全米図書賞受賞作には映画化されたものも多く、日本でもなじみのある作品もあります。
有名なものでは、ケイト・ブランシェットなどが出演している『シッピング・ニュース』や、ジュード・ロウやレネー・ゼルウィガーがアカデミー賞を受賞した『コールドマウンテン』などです。
最近、映画化が発表され、話題になったものでは、『ホワイト・ノイズ』や、別の作品で受賞したタナハシ・コーツ氏が脚本を手掛ける『Wrong Answer(原題)』などが、今後、大注目です。
これらの作品が、実験に使用された作品かどうかは定かではありませんが、出版社が、いかに、作者の名前や受賞歴で作品を評価しているかが分かる実験でした。
4)学術論文は、有名大学所属の研究者が有利?!
どんな分野の研究者でも、その道で広く認められるための王道は、論文を投稿することです。
論文誌やジャーナルに、自分の論文が採用されることが、出世への第一歩と言えるわけです。
そんな学術論文の世界でも、有名大学に所属する研究員の論文の方が、採択されやすいという研究結果があるのです。
5)アメリカ大統領選挙は、高身長な方が勝つ?!
これは実験結果ではありませんが、アメリカ大統領選では、身長が高い候補者の方が有利だという有名な話があります。
実際の記録を調べてみると、興味深いことが分かりました。
第1代ジョージ・ワシントン大統領から、第45代ドナルド・トランプ大統領までの全大統領選を比較すると、高身長の候補者が勝つ確率は、低身長の候補者が勝つ確率より、わずか12%高いだけでした。
しかし、1900年以降、つまり第26代セアドア・ルーズベルト大統領以降の選挙を比較すると、身長差による勝率の差が、37%にまで開いていたのです。
近現代になればなるほど、ハロー効果による影響が強まっていると言えそうですね。
これは、新聞やテレビなどで、候補者の写真や映像が見られるようになったことが、大きな原因のひとつと推測できます。
身長の高さが、政治家としての能力には全く無関係であるにも関わらず、身長という分かりやすい特徴から、他の能力まで判断してしまうという、ハロー効果の典型的な影響と言えるのではないでしょうか。
ひとつの優れた特徴を見て、他の能力も優れていると思ってしまうとしたら、逆に、ひとつの劣っている特徴を見て、他の能力も大したことないと判断してしまうということも考えられますよね。
そうなんです。
ハロー効果には、「ポジティブ・ハロー効果」と「ネガティブ・ハロー効果」という、正反対の2種類があるということを、覚えておく必要があります。
ポジティブハロー効果とは?
ひとつの優れた特徴を見て、他の能力も優れていると判断してしまうことを、ポジティブ・ハロー効果と言います。
ポジティブな方に転換してしまうということですね。
恋愛や就職、ビジネス、人間関係などの場面では、このポジティブハロー効果を上手に利用することで、自分の評価を飛躍的に上げることが期待できます。
ポジティブハロー効果を上手に利用するコツが2つあります。
- 自分のハローを見つける or 作る
- 相手が求めている能力を見極める
1)自分のハローを見つける or 作る
ハロー効果のハローは、英語で halo と書き、「後光」とか「光背」という意味です。
「後光がさす」なんてよく言いますよね。
後光がさせば、仏にも菩薩にも見えてしまうんです。笑
自分にとってのハロー(=後光)を見つけることがとても大切です。
後光になりうるものというのは、分かりやすくて人に見せやすいものがいいですね。
それを見せたら、みんながひれ伏してしまうような…。
水戸黄門の印籠みたいなものです。
ビジネスの場においては、「明るくハキハキ挨拶ができる」とか「メールの返事が早い」とかいうだけで、仕事がデキル人と思ってもらえる可能性があります。
ハローの良いところは、欠点を隠す必要がないところです。
わざわざ欠点を隠さなくても、ひとつの優れた特徴で、勝手に他も良いように見てもらえるのです。
欠点を補おうと苦労するより、ハローを見つけて(又は作って)、それをより磨く努力をする方が簡単で効果的です。
2)相手が求めている能力を見極める
相手がどんな能力や性質を求めているかが分かれば、それに合わせたハローを見せることができます。
これは、就職面接や恋愛の場面で役に立つワザですね。
考えるよりも前に体が動いてしまうような「行動力のある営業パーソン」を求める求人があったとしたら、学生時代の運動部の活動などをアピールすると、ポジティブハロー効果がうまく引き出せます。
逆に、行動力よりも、数字を分析したり予測できるような「頭脳派の営業パーソン」を求めているとしたら、学生時代に数学が一番の得意教科だったことをアピールするのが効果的です。
「優しい人がタイプ」という女の子を振り向かせたいと思ったら、「動物が大好き」ということをアピールすれば、ポジティブハロー効果がねらえるでしょう。
「頭の良い人が好き」という女の子だとしたら、「趣味は読書」をアピールすると効果的かもしれませんね。
相手がどんなことに好印象を持つのか、把握しておくことはとても重要です。
ネガティブハロー効果とは?
ポジティブハロー効果とは反対に、ひとつの劣っている特徴を見て、他の能力も劣っていると思ってしまう効果のことを、ネガティブ・ハロー効果と言います。
これは、自分の評価を実際より下げてしまうことになるので、避けたい効果です。
ネガティブハロー効果を避けるコツはただひとつです。
欠点を目立たせないようにすることです。
ハロー効果は、ひとつの「目立つ特徴」を見て、他も判断するという性質があるので、目立たなければ良いわけです。
「平均点よりは下だけど、ずば抜けて悪いわけではない」というレベルならOKです。
ですので、例えば容姿に自信のない人がいたとします。
「オレは見た目なんかじゃなくて、中身で勝負するんだ!」
「私は美人でもないしカワイくもないから、性格で勝負する!」
と思うことは、もちろんとても良いことです。
ですが、だからと言って、見た目に全く無頓着で気を使わないでいると、相手にネガティブハロー効果をもたらす恐れがあります。
服装が極端にだらしなかったり、髪型が極端にヘンだったり、不潔そうな見た目だったりしたら、どうでしょう。
どんなに中身が優れていても、どんなに性格が素晴らしかったとしても、それを知ってもらう前に、相手はあなたをダメな人と判断して、離れてしまうかもしれないのです。
では、どうすれば良いのか?
最低限のレベルを保つようにするのです。
その部分を目立たなくすれば良いのです。
容姿で勝負をしないとしても、服装は清潔感のあるものにするとか、髪型はキチンとするとか。
少し気を使うだけで、相手にとってその特徴は特徴ではなくなり目立たなくなります。
そうすれば、ネガティブハロー効果をうまく避けることができます。
あとは、ポジティブハロー効果をうまく引き出せるようにすれば、あなたの評価は格段に良くなるでしょう。
おすすめ記事
ハロー効果まとめ
ハロー効果とは、見た目、学歴、肩書など、その人の目立つ特徴のひとつに引きずられて、別の性質を勝手に判断してしまうことです。
ポジティブハロー効果とネガティブハロー効果があります。
ポジティブハロー効果は、ひとつの優れた特徴を見て、他も優れていると思ってしまうこと。
反対に、ネガティブハロー効果は、ひとつの劣っている特徴を見て、他も劣っていると思ってしまうことです。
ハロー効果は、日常生活のあらゆる場面で応用することが可能です。
特に、いろんな側面から時間をかけてゆっくり分析したり判断したりすることができない場面で、効果的に働きます。
広告や面接、恋愛の出会いの場面などで、うまく利用すると、自分にとって有利になるようなイメージ付けができますよ。
ポイントは、
- どういうイメージを持ってもらいたいかをハッキリさせる
- ネガティブハロー効果を誘うような目立つ欠点を、目立たなくさせる
おすすめ記事
コメント