プロスペクト理論をわかりやすく!マーケティング応用例とは

人間の本能の一つを様々な実験によって科学的に暴いたプロスペクト理論。

名前がカッコイイので、どんな意味なの?と色々調べてみましたが、わかりにくい。

 

分かりにくい上に、調べてみても同じ例文ばかり。
(これ書いてる人達ってほんとに意味理解してるのか?)

 

あまりに分かりにくい解説ばかりなので、自分で勉強して噛み砕いてこの記事にまとめました。

目次

プロスペクト理論の意味とは?

プロスペクト理論が伝えてること、それは「人は出来るだけ損をしたくない生き物だ!」ということ。

そういう本能があるんですね。

そんなことわざわざ○○理論にするまでもないくらい当たり前の話ですが、実験で分かった事はそんなもんじゃなかったんです。

 

例えば、

「1万円を賭けてじゃんけんをして、勝ったら相手の1万円をもらえる。負けたら相手に1万円払う」

これ、やります?

 

恐らくやらないでしょう。
だって、負けたら1万円失うわけですから。

 

でも、よく考えてみて下さい。
勝ったら1万円もらえるんですよ?

勝か負けるかは50%:50%。

 

つまり1万円失う確率50%に対して、1万円もらえる確率も50%なわけです。
それなのに多くの人がそんなじゃんけんには挑みません。

勝つよりも、損をしたくない気持ちが強いから。

このことを損失回避バイアスといいます。

これ重要なのでしっかり押さえておきましょう!

損失回避バイアスとは?

これがプロスペクト理論が言っていることです。
つまり、期待値が同じなら、損をしない方を選ぶってこと。

 

「期待値が同じなら」と書きましたが、実際は損失に比べて期待値が2〜2.5倍位無いと、勝負しないってデータが出てます。

そのデータを価値観数といい、上手くグラフになっているのでご紹介しますね。

価値観数

価値観指数のグラフがこれ。

 

 

分かりにくいけど、このじゃんけんの例で言えば、

1万円賭けて勝ったときに得られる金額が2万円くらいないと、勝負しない人のほうが多いってことです。

実際どう思いますか?

 

じゃんけんに勝った時、1万5000円じゃ、やっぱりやりたくないんじゃないでしょうか?

でも、2万円とか2万5000円もらえるかもしれないなら、やってみてもいいと思いませんか?

僕もこのくらいならやってもいい気持ちになります。

 

ただ、これ、損失が確定した状態だと話が変わってくるんですよ。

ギャンブルを例に解説してみます。

ギャンブルに例えると?

パチンコで先週の日曜日に負けた分を取り戻そうと、どんどんお金をつぎ込んで行くのがその典型例です。

先週は1万円スッたら帰ろうと思ってたのに、今週はそれを取り戻そうと2万円までは言いにしちゃうわけです。

 

で、また負けると次の日曜日には3万円まではOKにしちゃう。

つまり、損失が確定した状態だと、どんどんリスクを追うようになっていくんですね。

不思議な本能があるものです。

 

これと同じことってFXでも言えます。

FXって、例えば米ドルと円を交換して為替の変動で儲けるやつです。

 

プロスペクト理論でFXで負ける理由が説明できる

僕は職業柄、自由な働き方をしている人達が周りに大勢います。

で、FXやってる方も何人かいて、勝ってる人と負けてる人には共通点があるのが分かります。

 

その共通点、それは「プロスペクト理論に反抗できてるかどうか?」です。

つまり、負けが確定しているところでも、それ以上の損失を出さないために見切りをつけられる。

だから負けても大きく負けることはありません。

 

近くにFXで稼ぎ続けてる人も何名かいますが、皆さん揃ってそこをポイントに挙げてました。

「FXで勝てるかどうかは、しっかり損切りできるかどうかだ。」と。

 

で、ちなみに損切りできなくて負けてしまう人の特徴って、「心に穴がいてる人。だからそこを埋めなきゃいけない。」とも。

それ言ってたのはこちらの方。

 

 

この辺は話がそれるので、また機会があればしますね!

 

よくよく考えてみれば、負けまくっていた織田信長が天下統一直前まで行けたのも、プロスペクト理論に反抗できていたからですよね。

負け戦だと分かったら、さっさと退散。

それが出来るのって精神的強さだったんですね!さすが織田信長!

 

プロスペクト理論のマーケティング事例

期間限定キャンペーン

例えば、今週はドーナツ全品百円!のような期間限定キャンペーン。

この場合、ドーナツ好きの損失は、来週以降ドーナツを買う事で発生する差額分ですね。

 

20円を10個で200円の損失が発生するわけです。

プロスペクト理論が言うように「人は出来るだけ損をしたくない生き物」なので、この損失を回避するために、今週のうちにドーナツを買いに行こう!となるわけです。

 

ただ、ドーナツに興味がない人にとっては、期間限定キャンペーンでドーナツを買うことの方が損失です。

なので、このキャンペーンを知ってもドーナツを買いにいくわけではありません。

返金保証

返金保証は、例えば化粧品のプロアクティブが有名ですよね。

「満足しなかったら使った後でも全額返金します!」っていうCMをやってるのを時々見かけます。

これは損失回避の典型例ですね。
それでいて化粧品への期待値もあるので、それはそれは売れるわけです。

 

黄色いレシートが出たら購入代金全額無料

イオンが時々やっていた記憶があります。

必要なものを買って、それが無料になる可能性があるなら行かない手はありませんね。

 

必要なものの購入なら損失ではありませんし、「無料になるかもしれない」という期待値があるので、せっかくなら黄色いレシートの日にお店に行くのも頷けます。

 

ただ、レジで時間が取られるのは損失だと考える方にとっては、黄色いレシートの日に行かない方が損失回避になるわけです。

なので、客層を見ると『時間を大切にしている人』の割合は通常よりも下がっていることでしょう。

引換券の使用期限は2週間以内です

2週間以内にこの引換券を持ってきたら、餃子が一枚無料!嬉しい!(期待値)

逆に期限が過ぎたら餃子をもらえなくなる!(損失)

 

この損失を回避するためには期限内にお店に行くと言うわけです。

 

マーケティング事例を出したことで大分プロスペクト理論が理解できて来たのではないでしょうか?

マーケティングでは「損失回避」を使っていることが多かったですね。

 

むしろ、たくみに損失が生まれる状況を生み出していると言えるでしょう。

では、もう少し思考訓練をしてみましょう。

プロスペクト理論の応用例

気になるあの子を映画に誘いたい

気になるあの子を映画に誘いたい時、どうしたらいいでしょうか?

ここでの前提は、あなたとあの子は20歳で普通の友達だとします。

 

まずはリサーチ。
すると、以下のことが分かりました。

・あの子は週末の予定がない
・○○の映画が見たい

 

ここまでわかれば「週末○○見に行こう?」と誘えばいいんですが、せっかくなのでプロスペクト理論的に考えてみましょう。

 

『損失回避=あなたと映画を見ること』になるためにどうしたらいいのか?

なのでまず、「何が起きたらあの子は損失を感じるか?」を考えます。
この場合は、「映画を有料で見ること」でいいでしょう。

ではこれらを回避するためには?を考えてみましょう。

 

有料で映画を見るに関しては簡単ですね。チケット代を支払ってあげればいいだけ。

「○○の映画の無料チケットもらったんだけど、今週までなんだよね。良かったら一緒に行かない?」
と、こんな感じでいいでしょう。

 

これで自信がなければ、もっとあの子をリサーチして、自分とデートをしなければ損だと言う要素を盛り込めばOKです。

 

行ってみたいカフェはどこか?(あったら先に1,2回いって、店員さんと仲良くなっとく)

で、

「○○の映画の無料チケットもらったんだけど、今週までなんだよね。良かったら一緒に行かない?」

の後に、

「近くにある〜〜ってカフェも行きたいんだよね。めちゃいいんだよあそこ。」

とか言って。

 

で、当日映画を見て、あの子がずっと行きたかったカフェに行ったらあなたが店員さんと仲良く話してる。

それを見たあの子はこう思うわけです。

 

(こやつ、中々やるな!)

(こやつと仲良くせんのはもったいない!)

 

そして、一歩先行くリーダーとしての地位を手に入れたあなたは、気になるあの子を虜にしてしまえるのです。

ちゃんちゃん。

 

それにしても、そもそもプロスペクト理論て真実なんでしょうか?

どんな研究がされていたのか確認して行きましょう。

プロスペクト理論の実験

プロスペクト理論の実験では以下の2つが有名です。

実験1

A.B2つのくじ。
あなたはどちらを選ぶ?

 

A:90万円もらえる 確率は100%
B:100万円もらえる 確率は90%

 

これ、ほとんどの人がAのくじを選びます。

はじめお伝えした「期待値が同じなら損をしない方を選ぶ」ってことです。

 

AもBも期待値は90万円。

で、Aは10万円は損するかもしれないけど100%90万円は手に入ってBは10%のの確率で90万円損するって考えるんですね。

 

そすると、損失が多いのはBの90万円。

これを期待値が同じなら損しない方を選ぶので、Aのくじを引くわけです。

 

では少しだけ条件を変えた実験をご紹介します。

 

実験2

今度は、「損失が確定している状態」を条件に入れます。

 

「確実に損をする可能性があるくじ」を引くとします。
その時どちらを選ぶ?

A:90万円を失う 確率は100%
B:100万円を失う 確率は90%

 

A,Bどちらもお金は失いますが、その額と可能性がかわっていますね。

期待値は同じで、どちらも マイナス90万円です。

 

前述の通り、プロスペクト理論では「損失が確定した状態だと、どんどんリスクを追うようになっていく」んでした。

ギャンブルの所でお伝えしましたね。

 

では、A,B期待値は同じですが、よりリスクが高いのは?

それは、Bの100万円。
実際に実験の結果はBを選ぶ人が多いのです。

面白いですね。

 

もちろん損が確定していたた絶対にリスクが高い方を取るわけではありませんよ!
期待値によります。

 

ではこれ、コピーライティングに応用するにはどうしたら良いでしょうか?

コピーライティングで使うには?応用例

コピーライティングでの応用例の前に大事なことをお伝えします。

 

それは、ここでいうコピーライティングでの応用例は、あくまで「売る」事に特化した場合の話です。

 

当たり前の話ですが、どんな商品でも売れればいいとうわけではありません。

それを必要としていない人にテクニックを使って販売するのは悪です。

 

なので、使い方には十分注意して下さい。

はい、ではコピーライティングでの応用例をご紹介していきます。

恐怖を煽る!

人は損をしたくない生き物だということがわかれば、潜在的な恐怖を呼び起こすのが効果的です。

「Aという化粧水を使った場合と、他社の商品を使った場合、10年後のお肌を比べるとこんなに違いが!」

と、シミやそばかす、シワ等を並べてAという化粧品を使わず、他社商品を使うリスクを煽るわけですね。

 

希少性を伝える

「今しか手に入らない。」「限定100セット」って希少性を訴求しましょう。

 

昔CDが売れてた時代には、「10万枚限定生産」とかよくやってましたね。

CDなんだからいくらでも作れるはずなのに、あえて希少性を出すことでの販促効果を狙ったのです。

 

ちなみに、こうするとCDの作りすぎも防げて一石二鳥だったようですよ。

リスクを回避させる

リスクを回避させる(損失回避)させるのに有効なのが・全額返金保証・無料お試しです。

 

ただ、こういうのは狙ったターゲットに合わせないと、外すこともあります。

ある程度意識の高い人だけを集めたいなら、無料お試しは無い方が良いです。

 

同じ内容のセミナーでも、代金が1万円と無料では全く違う層の人達が集まることが珍しくありません。

僕が以前やったリアル店舗向けウェブマーケティングセミナーは5万円でした。

そこに集まった方はほぼ全員素晴らしいマインドの持ち主で、今でも仲良くさせてもらっています。

 

ですが、友人に誘われて参加してみた無料のビジネスセミナーでは、全く逆の人達が集まってました。

100名位参加者がいましたが、
「この人講師の話きいてるの?」って質問や、
本題と全然関係ない「空気読めない質問」があったり、
まあ、あまりに安いとしょうもない人が集まりやすいってことです。

 

なので、プロスペクト理論も上手に使ってこそです。

間違えると狙った結果にならないのでご注意を!

 

さて、今回はプロスペクト理論についてお伝えしてきました。

最後にポイントをおさらいしていきましょう。

プロスペクト理論まとめ

プロスペクト理論について、具体例を交えながらお伝えしてきました。

ポイントは3つでしたね。

・期待値が同じなら、損をしない方を選ぶ
・損失が確定していると、リスキーになる
・損失:期待値=1:2〜2.5 が目安

 

この理論は人間の本能を言語化したものですので、ビジネスにも恋愛にも何にでも使えます。

そして大事なことは、本能だからと言って、それに従う必要はないということ。
人間には理性があります。

 

これまで会った成功している人を思い返してみると、その共通点は「本能の主人」になっていることです。

・理性を働かせてリスクと期待値をみて勝負できる。
・損失が確定していても冷静に判断してリスキーにならない。

 

逆に上手く行ってないとか、一瞬上手く行ったけど落ちちゃうような人は、「本能の奴隷」になっている人です。

本能の主として生きるか、本能の奴隷として生きるか?

これは持って生まれた才能は関係なく、心がけ一つで選べることです。

 

なのでお互い、本能の主の意識を忘れずに生きていきましょう!

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