片山真一です。今回は、世間を騒がせた「頂き女子」事件から、ビジネスに活かせる具体的な戦略を探ってみたいと思います。
はじめに
2023年の夏、「頂き女子リリちゃん」が逮捕され、2024年4月に懲役9年、罰金800万円の実刑判決が下りました。
僕がこの事件に注目したのは、リリちゃんが作成した「いだきマニュアル」の驚異的な完成度です。このマニュアルは、心理学的にもビジネス的にも非常に作り込まれていて、人間心理を知る上でも、ビジネスを理解する上でも、学ぶべき点が多いんです。
頂き女子とは
まず、「頂き女子」の定義から見ていきましょう。
頂き女子とは、パパ活やロマンス詐欺とは少し違います。彼女たちは疑似恋愛の雰囲気を作り出し、体の関係は持たず、お金をもらった後も関係を継続します。
簡単に言うと、めちゃくちゃ便利なパパを作るということですね。
この「継続的な関係構築」は、ビジネスでも重要です。例えば、自社製品を一度購入してくれた顧客に対して、定期的なフォローアップメールを送ったり、カスタマーサポートを充実させたりすることで、長期的な顧客関係を築くことができますよね。
こんな感じですね。
- 顧客データベースを作成し、購入履歴や問い合わせ内容を記録する
- 購入後1週間、1ヶ月、3ヶ月といったタイミングで自動フォローメールを設定する
- 顧客満足度調査を定期的に実施し、改善点を見つける
頂き女子マニュアルの3ステップ
それでは頂き女子マニュアルを見ていきましょう。
1. 信頼関係の構築
マニュアルでは、ターゲットを「ギバー王子」と呼ばれる40代以上、年収1000万円以下の独身男性に絞っています。
ペルソナ(理想的な顧客像)を明確にすることは、マーケティング戦略の基本です。自社製品やサービスに最適なターゲット層を見つけ出し、そこに集中的にアプローチすることで、効率的な販売促進が可能になります。
具体的には、
- 自社の既存顧客データを分析し、最も売上貢献度の高い顧客層を特定する
- その顧客層の特徴(年齢、職業、趣味など)を詳細にリストアップする
- その特徴に合わせた広告メッセージや商品開発を行う
と言った具合です。
2. いただく段階
マニュアルでは、トラブルを演出し、相手の同情を誘うような複雑な事情を抱えた設定を作ります。
トラブルを演出というのが興味深いですよね。
ビジネスにおいてはもちろん、嘘をつくことはNGです。ですが学べる点としては、顧客の「痛み」を理解し、それを解決する製品やサービスを提供するということです。
ここは重要な点ですよね。
こんなステップを踏むのがおすすめです。
- 顧客インタビューを実施し、彼らが抱える本当の問題点を洗い出す
- その問題点を解決する製品やサービスの特徴を、具体的なストーリーとして説明する
- 顧客の声を活用し、実際に問題が解決された事例をケーススタディとして公開する
頂きマニュアルから学べる点はまだまだあります。
3. アフターケア
リリちゃんが最も重視しているのが、このアフターケアです。
ビジネスでは、アフターケアは、顧客満足度を高め、リピート購入やクチコミを生み出す重要な要素です。
- 購入後の使用方法や活用事例を定期的にメールで送信する
- カスタマーサポートの品質向上のため、社内研修を実施する
- ロイヤルティプログラムを導入し、継続的な利用を促進する
このようなアフターケアをすることでリピーターにつながっていくわけですね。
ビジネスに活かそう!
頂きマニュアルをビジネスに活かすには以下のような施策をするのがおすすめです。
- 顧客心理の深い理解
顧客アンケートだけでなく、実際に顧客と直接対話する機会を設けましょう。例えば、月に1回「お客様との茶話会」を開催し、製品の使用感や改善点について率直な意見を聞く場を作るというわけです。
ビジネスならzoomでもOKですよね。
- ブランディングの重要性
自社のブランドイメージを5つのキーワードで表現してみましょう。そして、それらのキーワードが、ウェブサイト、広告、製品パッケージなど、あらゆる顧客接点で一貫して表現されているかチェックします。
- コミュニケーション戦略
営業チームに「アクティブリスニング」のトレーニングを実施しましょう。
顧客の話を途中で遮らず、相手の言葉を復唱し、理解を深める練習をしましょう。これ大事ですよ。
- 長期的な関係構築
顧客の誕生日や記念日にパーソナライズされたメッセージカードを送るシステムを構築します。小さな気遣いが、長期的な関係構築につながっていくのです。
このマニュアルから学べる教訓は多いですが、それを正しく、倫理的に活用することが重要です。顧客の心理を理解し、長期的な関係を築き、win-winの関係を作ること。これこそが、持続可能なビジネスの核心だと僕は考えています。