確証バイアスとは?7つの事例で解説!回避対策と応用例5つ

マーケティングや占いでよく使われる心理効果に、確証バイアスがあります。
実は、この確証バイアス、かなり厄介。

 

偽占い師に騙されたり、騙されていると薄々感づきながらも信じ続けてしますのもまた、確証バイアスの効果です。

さて、そんな確証バイアスについて今回は詳しくお伝えしていきます。

目次

確証バイアスとは?

確証バイアスとは、自分が持っている先入観に対して、肯定的な意見を積極的に集めようとする、無意識の作用のことです。

逆に、先入観に反する意見には、消極的な対応になります

人は、自分が信じたいものを信じるってことですね。

 

では、確証バイアスはなぜ生まれるのでしょうか?

それは脳が快を求めているからです。

つまり、脳に快を与える選択肢を選ぶこと
それが「確証バイアス」の正体です。

 

なので、Aという先入観を持っていれば、他にB,Cという選択肢があったとしても、Aという選択肢を取りやすくなるのです。

幾つか例を上げてみましょう。

確証バイアスの例

大阪のおばちゃんは図々しい

大阪の人にも謙虚で素晴らしい人は多いはず。
それでも「大阪のおばちゃんは図々しい」をベースにした話題は人気があるようです。

 

さらにこういった情報は、テレビや雑誌と言った全国区のメディアで拡散します。

そのため、大阪から遠く離れている人にも伝わっていきますよね。

そして益々「大阪のおばちゃんは図々しい」が多くの人の確証バイアスになっていくのです。

 

ただ大げさにしただけなのだから、みんなこれが冗談って分かっているのでは?
と、思われるかもしれません。

しかし、これは大阪の人が「言いたいことをハッキリ言う」「きつい」という確証バイアスに変わって、人の心に入り込んでしまうことが往々にあるのです。

こうなると、大阪のおばちゃんを避けたいと思うようになります。

 

これも特定の人を遠ざけることになり、素晴らしい出会いを逃すことにもなるのです。

 

人は出会いで成長するもの。
なので、自分で出会いのチャンスを遠ざけるのは、やはりもったいないことです。

一人息子はマザコン

「一人息子にはマザコンが多い。」

こんな先入観がある人も多いのでは?

そうすると、一人っ子の男性がちょっとお母さんに親切にしただけでも、「やっぱりマザコンなんだな」と思ってしまったりする人もいるんですね。

一人っ子じゃない男性がお母さんに同じことをしていても、そんなことは思わないのに(-_-;)

 

これは確証バイアスが発動した結果です。

そして、この先入観を持っているとどんな影響があるのか・・・

 

性格の良い、優しい男性があなたに告白してきても、お付き合いを断ってしまうかもしれません。
これはもったいないことです。

これに似た確証バイアスをもうひとつご紹介しましょう。

次は、確証バイアスが、自分に都合の良い先入観を強化しようとする例をご紹介します。

口コミの利用

ショッピングする時、口コミを利用する人も多いでしょう。

この場合、その商品の口コミを見る時にも確証バイアスが働くことがあります。

つまり、自分がその商品に好意を抱いていると、評価の良い口コミはよく読みますが、厳しい意見は素通りしてしまう傾向にあるのです。

 

自分の買う商品はいいものであるはずと誰しも思いたいもの。
そんな想いから確証バイアスがかかってしまうのです。

しかし、口コミの中にはその厳しい指摘が正解の場合もあります。

なので、厳しい意見を見て見ないふりをするとショッピングに失敗するかもしれませんね

 

ショッピングではたとえ失敗しても、自分だけのことで済むものです。

しかし、次にご紹介する例は他の人にも影響を与えてしまう確証バイアスです。

議論の場で

議論の場では自分の意見を戦わせます。
この時、持論に自信があるほど賛成してくれる仲間を擁護するでしょう。

賛成の意見だけを集めて持論を強くしようとするわけですね。
確証バイアスにかかっている議長なら、反対意見の人が挙手しても発言させないかもしれません。

でも、こうした会議はもはや会議といえないのではないでしょうか?

 

会議が盛り上がるのは意見を戦わせている時です。
これは企業にとっての切磋琢磨ですね。

特定の人の確証バイアスのためにこの切磋琢磨ができないとしたら・・・
その企業の未来は明るいとは言えなくなるでしょう

確証バイアスが握っているのは、企業の未来だけではありません。

個人の資産の危機も作りだす例を見てみましょう。

投資

株やFXなど、投資をしている人も確証バイアスにかかりやすくなっている事が少なくありません。

こうなると、投資が成功した人の話ばかり集めようとします。

 

どんな小さなことでも自分のケースに当てはまると「よっしゃ!」と思います。

そして、投資の失敗話には「やり方が悪いからだ」と一蹴する傾向があります。

 

投資にはリスクもあるはずですが、そのリスクが見えなくなってしまうわけです。

予想されるリスクに備えていないと、その投資が失敗に終わる確率は大きいでしょう
ここまでは自分の都合の良い先入観でした。

 

しかし、確証バイアスの中には自分に不都合なことを先入観にする場合もあります。

今度はそんな例をひとつあげてみることにします。

自分は頭が悪い

小さい頃から周りから言われたことが先入観になる例です。

失敗した時に「ほらやっぱり」という確証バイアスのキメ台詞が出てきます。

そして、上手にできた時は「たまたま偶然出来ただけだ」と思ってしまうのです。

 

成功した人のことばかり目について「出来ない自分」を際立たせてしまいます。

「最後の例の先入観は『快』じゃないのでは?」
そう思った方もおられるかもしれません。

 

でも、不幸自慢をする人っていますよね。

あるいは悲劇の主人公にあこがれたりする心理もあります。

 

または「あいつはMだ」なんてことを言ったりしませんか。
これは、脳にとっては苦痛も快感になることがあるということです。

これは一筋縄ではいかない脳の快感ですね。

それでは最後に、もっとも恐れなくてはならない確証バイアスの例をご紹介しましょう。

オレオレ詐欺

昨今、大きな社会問題になっている「オレオレ詐欺」。

ここでも確証バイアスが使われているために、被害がなかなか減りません。

家に電話がかかって来た時、相手に「オレだけど」と言われたら「身内だな」と思ってしまいます
すでにこれが確証バイアスですね。

そうなると、声やしゃべり方という個人を特定出来るはずの情報を、脳は除外してしまうことになります。

さらに、「電話」という視覚情報がないことも確証バイアスの強化につながっていると言えるでしょう。

 

詐欺師が、いかに人の心理を操って人を騙しているか、ということですね。

さあどうでしょう、この例のほとんどを「ヤバイよそれ」と感じたはずです。

冷静に分析するとヤバイことが分かるのに、バイアスがかかってしまうと分からなくなるのがとても怖いですよね。
こうした確証バイアスはまさに先入観の罠と言えるでしょう。

ここはぜひとも、残念な結果を出さないように、この罠から逃げなければなりません。

 

そんな確証バイアスの罠から逃がれるすべはあるのでしょうか。
では、これからその対策法をいくつかご紹介しますよ!

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確証バイアス回避対策!

人が他の動物と違うのは想像力があることです
そして人は社会的な生き物です。
これは仲間がいるということ。

ここではこの想像力と仲間の力で確証バイアスの罠から逃げようと思います。

その方法を先の具体例を借りてご紹介していきますね。

常に疑問を持つ

例えば、「大阪のおばちゃんが図々しいというのは本当だろうか?」
「自分の頭は本当に悪いのだろうか?」
と、沸き上がった気持ちを常に疑うようにします。

その疑う気持ちで見ると、優しくて世話好きなおばちゃんが見えてくるはずです。

人は疑問を持つことで発展してきました。
確証バイアスは人の発展をせき止めてしまうのです。

 

なので、常に疑問を持つことでこのバイアスを取り払いましょう。

考え方の対策をもうひとつ。

先入観と逆の考え方をしてみる

「自分の頭は悪い」と思っていると悪いところだけが目立つのです。
そこで「頭は悪くない」と考えてみます。

すると、意外と今まで成功していることがあったことに気が付きます。

 

これは投資をしている人にも使って欲しい対策です。
バイアスがかかっているとリスクを考えられなくなってしまします。

「この投資はリスクが高い」と思うことでリスクを回避するアイデアが浮かぶでしょう。

次は行動でバイアスを消す方法です。

信頼のおける人から意見を聞く

自分の先入観や意見にこり固まってしまうのは、一人で考えるからです。
こんな時は他人の話はなかなか耳に入りません。

しかし、信頼している人やあこがれている人の意見は受け入れやすいもの。

 

「この人のいうことなら自分の意見を変えられる」と思えたらバイアスははずれたことになります。

大切なのは「私はこう思うけどあなたはどう思いますか?」
と、聞く姿勢を持つことです。

 

行動するならこちらも有効な対策になります。

先入観の発端を探す

先入観は最初のキッカケがあるはずです。

「マザコン息子」や「大阪のおばちゃん」の話はどこで聞いた言葉でしょうか?

それを探すと、たまたま読んだ雑誌や飲み会のおしゃべりが出所だったりします。
それがわかると大した根拠がないこともわかりますね。

 

小さい時に犬に噛みつかれて犬嫌いになった人にもこれは言えます。

その犬は人がいたずらしたり、いじめたから噛みついたのかもしれません。

それを思い出せたら、犬は優しくしたら噛みつかないということが理解出来るでしょう。

 

「食わず嫌い」かもしれない確証バイアスにはこちらの対策がおすすめです。

実際に体験してみる

例えば、「大阪のおばちゃん」も実際に会ったことがあるのでしょうか?
大阪まで行ってたくさんの人と会って、自分で確かめてみるのも有効です

また、小さい時からピーマンが嫌いと思いこんでいる人。

おとなになって思い切って食べたらおいしく食べられた・・・
なんて話もよく耳にします。

 

体験で確証バイアスが消えることも大いにあるでしょう。

最後にご紹介するのは、誰もが使える万能対策といえますよ。

誰にも確証バイアスがあると知る

「人には誰にでも『先入観を強化する』という脳のくせがある。」

「これは確証バイアスと言ってリスクを遠ざけるので危険な脳のくせだ」

これらことを知っているだけでも、リスクに備えようという気持ちになります。

 

また、自分以外の人が頑固に思える時はバイアスのせいだと捉えることもできますね。
これは、そう考えることで感情的にならずに済むという効果も生みます。

ここまで、確証バイアスを非難するようなことばかり並べてきてしまいました。

これももしかして確証バイアスにかかっているからなのかもしれません。

 

本当に占いではよく、確証バイアスの効力を発揮しています。

 

確証バイアスは占いによく使われている?

女子に人気なもののひとつに占いがあります。

この占いほど確証バイアスを利用しているものはないかもしれません。

占い師でなくてもよく知られた占いというものがありますね。

 

例えば、血液型占い。

  • A型は真面目
  • B型は気難しい
  • O型は優柔不断
  • AB型は変人

こうした話は広く知れ渡っています。

本当なら、人は4つの型にはめられるほど単純ではありませんよね。

でも、血液型占いにたまたま合った性格の人を見つけると「ほらやっぱりあの人はA型だから」と思うことは多いのではないでしょうか。

 

さらに、雑誌やネットで運勢を占いたい人にもこのバイアスは働きます。

  • 自分にとって良い結果になる占いは信じる。
  • 自分にとって悪い結果の占いは信じない。

これも「自分に気に入る思考を選ぶ」というということで確証バイアスです。

 

でも、「今日は運勢がいいんだ」と信じている日は機嫌もよく、活動的になるのではないでしょうか。

そんな時は実際に良い日になる確率が上がります。

 

こんなことを知ると「確証バイアスは悪いことばかりではないんだな」と思えますね。
実はその通りです。

これを役立てられることがあるのです。

確証バイアスはどんなふうなら役に立つのか。

これも例を使って見ていきましょう!

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確証バイアスの応用例

確証バイアスでは、たまたま見た雑誌の情報からでもそれを先入観にしてしまいます。

自分に役に立つ情報をキャッチする力があるということですね。
これは自分にも人にも役に立てることができます。

そして、思い込む力はこんな場面で役に立てられるのです。

人材育成

社員教育は企業にとっても重要なことのひとつです。
教育者側が気を付けるのは、自分が確証バイアスにかからないこと。

例えば、新入社員の出身校や家庭環境と当人は切り離して考えることです。

そうすることで新入社員の持っている力を十分引き出せることが可能になります

また、初めての対面は第一印象が重要です。
社員に「上司はこういう人」と思わせるには確証バイアスが使えるでしょう。

これをビジネス全般に応用する時はこの方法がいいようです。

マーケティング

先の占いの話を思い出してください。

占いを頼ってくる人は「背中を押して欲しい」人ですよね?
大体悩みがあるわけです。

 

そこで占い師は、頼ってきた人が言って欲しいことを言ってあげます。

「あなたには強力な守護霊がついている」とか、「今年はダメだけど来年の運気はすごい」とか。

すると、相手はその占い師に好感を持ちます。

この好感が確証バイアスになるのですね。

これが成功すれば相手はその占い師のことを信じます。
そして、同じ占い師の元へ何度も足を運ぶようになるでしょう。

 

これは他のビジネスでも同じこと。

つまり、相手に好感を持ってもらう事で同じ効力を発揮しやすくなるのです。
これは商談には欠かせないことと言えますね。

ではプライベートではどうやって活用したらよいでしょうか?

恋愛

プライベートで興味の高いことと言えば、やはり恋愛ではありませんか?

例えば、恋愛を成就させたいと願う場合は、作戦も立てたいものです。

好きな人を振り向かせるために、好きな人に確証バイアスをかけることもできます。

 

例えば、好きな人と偶然会うような場面を繰り返し作ります。

回数が増えるにつれ、好きな人が「縁のある人」と思い込んでくれる可能性は大きいでしょう。

 

また、はたから見たら不釣り合いと思われるカップルを時に目にしますね。
これは確証バイアスのかかっている同士ともいえます。

 

恋愛と並んで、情熱を燃やすものにはスポーツもあげられますね。

そんなスポーツ界でも確証バイアスが役立つことがあります。

スポーツ

スポーツ界では、自分に確証バイアスをあえて行い、成功している人もいます。

その確証は「自分は出来る」。

その強い思いも大切ですが、ここでは行動が伴う事が成功を引き寄せているのです。

どんな事にでも言えますが、特にスポーツは努力が結果に結びつくことの多いものです。
過去に名を成した選手や現在活躍しているアスリートの生き様をを知ればいわずもがなでしょう。

 

これを見ると、確証バイアスは、一種の自己暗示と言えそうです。
この方法、自分にも使いたいですね。

こんなふうに使ってみましょう。

自己実現

自己実現とは、なりたい自分になるということです。
しかし現実では誰もが思うようにはなれないと感じています。

 

そこで、ここに思い込みの確証バイアスを使ってみましょう。

先にスポーツの場合をご紹介しましたが、アスリートでなくても自分に確証バイアスをかけられるはずですよね。

誰でも、人は調子のいい時と悪い時とあるものです。
そんな時、調子の悪い時ばかりあるように思えるのがマイナスの確証バイアスです。

 

そこで、調子のいい日だけ日記をつけたり、その日にあった良い事だけ記録するようにします。

そして確証バイアスがプラスに転じると、次は良いことに向けて行動するようになります。

これが自己実現へとつながる行動になるという訳ですね。

 

さて、大分確証バイアスの理解は深まったのではないでしょうか?
最後に、ここで総復習して自分のものにしてしまいましょう。

 

確証バイアス〜まとめ〜

今回は人が囚われる先入観の正体、確証バイアスについてお伝えしてきました。

確証バイアスとは

  • 人は自分に都合の良い情報は受け入れやすい
  • 人は自分の都合に合わない情報は無視する

 

確証バイアスの例

  • 一般的な先入観・・「大阪のおばちゃんは図々しい」「A型は真面目」
  • 情報の選択・・商品の口コミは良い評判が目に付く・自分に同調する人を集める
  • マイナスの確証バイアス・・「自分は頭が悪い」「犬が嫌い」
  • 詐欺師の使う確証バイアス・・オレオレ詐欺

 

確証バイアスの回避対策

  1. 疑問を持つようにする
  2. 先入観と逆の行動をしてみる
  3. 信頼のおける人から助言を受ける
  4. 確証バイアスは誰にもあると知る

 

確証バイアスが有効に使える場面

  • 人材育成
  • マーケティング
  • 恋愛
  • 自己実現

でした。

人生をいい方向に導いてくれる確証バイアスなら良いのですが、マイナスならない方が良いですよね。

肌の色での偏見なんてもっともな例でしょう。

白人が優れていて、黄色人種と黒人は下だとか。
失礼な話です。

肌の色と人間性、知性は関係がないでしょう。

ただ、そうは言っても誰にでもある程度の偏見のようなものはあるものです。

大事なのは、その偏見に気が付き、マイナスだと思ったら捨てていくこと
そうしていけば、僕らの世界はより良くなっていくのだと思います。

世界から戦争、差別を無くすためには、一人ひとりのこうした心がけが重要になると僕は思います。

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